2ペンスの希望

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仕事!

若い頃、色んなスタッフと仕事をしてきた。その時よく聴いた言葉。「いい仕事をしたいね」。確かにその通りなのだが、言いようのない違和を感じていた。
「いい仕事」ってどんな仕事?誰にとって「いい仕事」なの?。若気の至りもあったのだろうが、「いい仕事より役に立つ仕事だろ」と突っかかっていた。その頃、「おいしい仕事」という言葉も流行っていた。この言葉は全く駄目だった。自分にとって「おいしい」仕事は、相手にとっては「おいしくない仕事」ではないか、そう思うととても使えなかった。
自分にとって「いい」かどうかより、相手にとって「役に立つ」かどうか、それが仕事だろう、と思った。とりわけ、依頼主の注文で作るPR映画はそうだろうし、TV番組も劇映画もそうだろう。見る人の役に立つかどうか、それが基準ではないか。
人の役に立つために、自分の力を注ぐこと、それが仕事。おカネを頂戴する最低必要条件ではないか。だからこそ、片手間や趣味では駄目なのだ。逃げや甘え、言い訳が忍び込む。今稼げているかどうかは別にして、自分の「仕事」として向き合うことの重大さを、改めて肝に銘じておきたい。