2ペンスの希望

映画言論活動中です

『月夜釜合戦』

昨日に続いて、雑誌『砂漠Vol3』の「NDS大放談」の話題。
NDSメンバーの一人佐藤零郎さんが、釜ケ崎で劇映画を作ろうとしている。何本かドキュメンタリーを作ってきての彼なりの結論と戦略に基づく。

佐藤零郎 祭りとか暴動とか、そういうのは撮れるんですよね。特別なときっていうのは撮れるけども、やっぱり普段は全然カメラ回せなくて。ドキュメンタリーだと、カメラ回しても全然話しが聞かれないのもあるんですね。僕のなかであるのが、面白いドキュメンタリーって劇映画なんですよね。劇っぽいというか、フィクショナルな部分がすごい入っている感じがして。それで、劇映画で面白いのはすごいドキュメンタリーなんですよね。ドキュメンタリーっていう言葉がなんなのかはわからないすけど、すごい現実味を帯びているというか、ドキュメンタリーって感じるところがあって。そういう考えもあって、必ずしも劇映画でドキュメンタリーが出来ないことはないって思っててね。ある種、戦略的な話しなんですけど、劇映画っていう括りで入ったほうが、その人らの実際の話とか、インタビューを聞けるんじゃないかっていうのがあるんですよね。(‥中略‥)実際に元ヤクザで人をふたり殺している人が居たりして、でもその人らもリアルにそのことは言えないと、それを真に受けられたら困ると。でも劇映画や劇っていう枠のなかであれば、みんなが劇って思うから言えるやろと。自分の気持ちが言えるやろと。あ、なるほどなって思って、フィクションってこういう風に機能しているんだと。フィクションを挟むことで、実際の自分の感情や、想ってること、人生とかを語れることがあればいいなって思って。でも劇映画っていう枠は必要なんですよね。劇映画って入ることによって話しを聞けることはすごい出来るんじゃないかと思って。


準備中の劇映画の題名は
『月夜釜合戦』。
ツイッターがあるので、紹介しておく。
興味のある方はどうぞ。
https://twitter.com/tukikamadoro
釜印がカッコいい。