2ペンスの希望

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ジャンル

ジャンル自体に価値があるわけではない。そんなことは分かりきった話だ。
ハイカルチャーに元気がないからといって、サブ・カルチャーが偉くなったわけじゃない。なのに、サブカル人気は高い。マンガ・アニメ・ラノベ・ゲーム‥‥。知らない奴らは時代遅れ、理解出来ない連中は現代の文化を語る資格なし、そうまでいわれてしまう。
或る日突然 知らない裏通りの無名店に行列が出来る。隠れた名店という触れ込み。レッテルを貼ったのは俺様、と発見者は胸を張る。尻馬に乗る頓馬が走る。こういう手合いに限って本当に美味い(上手い)かどうかは二の次三の次。
贔屓の引き倒し。料理人を持ち上げ過ぎて潰れてしまった店なんてごまんとある。
目抜き通りに店を構えようが、裏通りにあろうが、名店は名店、駄目な店は駄目な店。
裏通りばかりを持ち上げて殊更に礼賛する「発見主義」はいい加減よした方がいい。
情報通を気取って大きな顔をするのは、見苦しい。
ジャンルだけじゃない。テーマについても同じこと。
社会的にご立派なテーマだろうと何だろうと、映画として面白く出来ていなければ落第・アウトだ。