2ペンスの希望

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目利き

いまだに、作り手・クリエーターの方が偉いと勘違いしている輩は多い。
作り手の中でも、受け手の間でも、だ。
今のご時勢、作り手なんて、ちょっと山っ気がありおっちょこちょいで行動力があれば、簡単になれる。一本撮れば、あなたも映画監督というわけだ。ご立派!ってか。
大事なのは、受け手・観客・鑑賞者の方だろう。場合によっては、作り手よりも有能な人物がいる。このことを忘れてはいけない。1996年に『オタク学入門』【大田出版1996年5月 刊】を著した岡田斗司夫さんは書いた。
オタク文化の頂点に立つのは教養ある鑑賞者であり、厳しい批評家であり、パトロンである存在だ。
それは作品に美を発見する「粋の眼」と、職人の技巧を評価できる「匠の眼」と、作品の社会的位置を把握する「通の眼」を持っている、究極の「粋人」でなくてはならない。

もっとも、岡田さんはその後の2008年『オタクはすでに死んでいる』【新潮新書2008年4月 刊】とも書いている。