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コンクリート建築

昨日の続き。岡さんの自力建設ビルの話。お題は、コンクリート建築。
引用は、いずれも雑誌『熱風』連載記事「大工の棟梁中村武司の木造建築造りの仲間たち 8」(2016年6月号) 中村武司さんの言葉から。 (管理人の責任判断で、一部割愛したり、言い回しを無断で変えている。中村さん平にお許しを。<( _ _;)> ) 
コンクリートと聞くと、自然に反した新しい人工物というイメージを持たれるかもしれないが、実は建材としての歴史は木と同じくらい古い。 エジプトでピラミッドが作られていた時代から石を積む際の目地に詰める接着剤としてセメント(ローマン・コンクリート)が使われており、それが建築の躯体として使えるような素材に発展したのが、今の鉄筋コンクリートだ。
コンクリートは、水とセメント
(原料は石灰石。木造建築の漆喰と同じ)に砂と砂利を混ぜて練ることで作られるが‥(岡さんのビルの)砂は石灰石の砕砂で、ジャリは石灰石の砕石。つまり100%石灰石。日本はこの石灰石が豊富な国で自給率100%の鉱物資源だ。「建築の父は石灰石で、建築の母は木だ」とは建築史研究家で早稲田大学建築学科教授・中谷礼仁氏が語った言葉だが、木造建築とコンクリート建築は建築の双璧をなすもので、相反するものではない。
一般のコンクリート建築の弱点は打ち継ぎ面から水が漏れること。コンクリートって化学反応で固まっていて、固まるために主要な化学反応の工程が四つぐらいあるんです。でも普通の建築現場では限られた時間の中でせいぜい1個目ぐらいしかやれていなくて、あとの三つは無視という状態。その残りの三つの工程をちゃんと頑張ると、ガラス質が生成し始める。するとどうなるかというと水を通さないんです。表面がガラスの膜を張ったようにツルツルになる。打ち継ぎ面をピカピカにすることで水漏れが防げる。」
岡さんの発言も引いてみる。
「手間をかけているだけで、特別なもんは一切使っていない‥」
「普通のコンクリートはだいたい35年もてばいいという感じで設計されていて、丁寧に使って50年持つかなというところなんですが、こいつは硬さが普通のコンクリートの2倍から3倍で、200年はもつといわれています。」

う〜む、20世紀の映画は置くとして、
21世紀の今作られている日本の映画が200年もつかどうか はなはだ疑問。不安。