2ペンスの希望

映画言論活動中です

「けしからん」

知人の御子息が立て続けにテレビに出るので見て欲しいと言われて、番組を見た。MBS系列『情熱大陸』とBSテレ東『マゼランの羅針盤』。NTT東日本と組んで自治体向け「シン・テレワークシステム」を開発、天才プログラマーとしてその世界では知られた超有名人だった。登大遊さん。未だ彼が十代の高校生だった頃に何度か会ってる。当時のゲームボーイ少年〈怪物君〉はそのまま 〈本物の怪物〉になっていた。番組の中で「水道の蛇口をひねると水が出る時に、蛇口のひねり方ばかり勉強しているのが日本のICT(情報通信技術)。蛇口の裏にはポンプをどこに置くかとか、水道管がだんだん錆びてきたら、どういうふうにメンテナンスすれば良いかとか、化学の知識がたくさん必要です。全部揃ってはじめて水道をひねると水が出るんです」と言っていた。

f:id:kobe-yama:20210228122520j:plain

口ぐせは、「けしからん」。けしからんことは見逃さない。キチンと指摘する。オープンに、フリーに、フランクに。オリジナルのクリップアートも作っている。もちろん制限なし利用自由だ。

f:id:kobe-yama:20210227003150j:plain

けしからんと思ったら放置してはならない。納得がいくまで追究することで、新たな道が開ける別に大したことを言ってるわけじゃない。けど、凡こそ非凡。万古不易の普遍真理だ。

「シン・テレワークシステムの名前の由来はシンゴジラからですか」と尋ねたNTTのエライさんに返した登さんの一言が痛快だった。「いいえ、シンは"thin" 薄いの意味です。」thin =(表と裏のへだたりのない意味で)薄い、厚みのない、細長い、やせた、ほっそりした、希薄な、まばらの. 中身がすかすかの、‥‥。どうしてどうして、thin どころか、筋の通った骨太ネーミング。ひねりも皮肉も効いた一級品。背骨がっしり、年季も筋金も入って、頼もしいかぎりだ。