2ペンスの希望

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「写真写真って言ってもさ、‥

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こんなインタビュー記事を読んだ。「写真写真って言ってもさ、写真なんて発明されてまだ一八〇年くらいだものね。それで結局ね、写真にとってのいちばん大きな変革っていうのは、やっぱりっデジタルの登場だと思うのね。それまでは化学じゃないですか。暗室ですよ全部。現像液、定着液みたいな世界。デジタルになって、全部が明室になり電気になった。化学がエレキになったわけ。これが決定的に違うのね。

写真の撮り方も違うし、僕なんかは化学で写真を覚えた人間だから、デジタルでカメラを使ってるけど、結局作り方はフィルムのつくり方なんだよね。いまのデジタルの人だったら、もうダダダダダダッてただ押して後から選んで、なんでもできちゃうじゃないですか。それでレタッチャーやなんかと組んでやってる。レタッチいらないのね僕の写真は。デジタルで撮ってても。一枚完成の写真で渡すってことだから。そういう技はもう、」いまの若い人にはないんですよ。そういうことやってる僕までが「写真」で、こっから後はなんか新しい名前がつくんじゃないかと思って。表現としては写真の最後の人ですよ。いやほんとそう思う。篠山紀信のコメントだ。現代思想磯崎新』2020年3月臨時増刊号 所収 296頁 】

時は戻せない。デジタルの時代に入って「映画」にも新しい名前がつくのかもしれないなぁ。強がりでも落胆でもなく、虚心坦懐に言って、不安半分、期待半分といったところ。