2ペンスの希望

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福本豊さんは正しい

野球解説の福本豊さんのコメントが痛快だ。ヒットになりそうなフライを全力疾走・ヘッドスライディングで間一髪・ナイスキャッチした外野手に一言。「走り出すのが遅いんや。もっと早う動き出せばきっちり落下地点でとれる筈や、下手糞、褒めたらアカン。」
日本人は、けなげに頑張る・一所懸命・必死のパッチが大好きだ。判官びいき。頑張ってる姿には拍手喝さいが集まるが、汗ひとつかかず、息も切らせないで楽々とやってのける姿はスルーされがちだ。しかし、鼻唄混じりでいとも簡単に、かつ鮮やかに、やってのけるのがプロではないのか。努力の跡や楽屋裏を見せるのは恥とされた。そんな矜持が失われた時、言訳や泣き言が多くなる。わざと遅れてスタートし、自らを華麗に見せるスタンドプレーも横行する。野球も映画も同じこと。それでお金を貰っているのだから‥。あざとさが透けて見えたら、キチンとあざといといい、ウデが拙いのならはっきりそれと指摘すべきだろう。
福本豊さんは正しい。