2ペンスの希望

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選択科目 それも端っこの

映画はもはや必修科目ではない。
たかだか選択科目、それも端っこの方にかろうじて引っかってるだけである。
昔は、教養や知識といった以上の意味を持っていた。生活の中で見るのが当たり前だった。テレビもビデオも無かった時代、外国の生活や文化、歴史を知るのも、東京や都会の最先端の流行を知るのもみんな映画だった。お金も集まり、優秀な才能も集まった。それが今や閑古鳥。あふれかえる情報と映像の洪水の中で、映画はワンオブゼムになった。それもかなり辺鄙な。
さしずめ今の必修科目は何かと問えば、ゲームやアニメやマンガということになろうか。
けど、何か物足りない。平面的で奥行き・深さがない、と感じるのはこちらの歳のせいなのだろうが‥。きっとゲームにもアニメにもマンガにも作り手たちの精進、プロ技が込められているのだろうし、だからこそ評価・支持されているのだろう。
OSは変わった。だとするなら、端っこを嘆くのでも、昔を羨ましがるのでもなく、新しいOSを繰り込んだ新しい映画のあり方を生み出していくしかない。
嬉しいことに、そのための「資産」は豊かにある。
そのことに気付く若い世代が増えてくれると更に有り難い。
願わくば、ガッコの先生や研究者諸氏の言葉に惑わされることなく、まっすぐに「資産」と向き合うことだ。