2ペンスの希望

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パラパラ漫画

お笑い芸人・鉄拳の『振り子』という短編アニメ(3分5秒)がYouTubeで話題だというので観た。原始的なパラパラ漫画方式のアニメだった。ストーリーについてはなんてことはなかったが、時計の振り子をフレームに生かした表現の工夫には必然性が込められていた。後半のワンシーン、手法と内容の拮抗・止揚には唸った。詳しくは書かないが、一見の価値あり。ご興味がおありの方は、YuoTubeで『鉄拳の振り子』と検索すれば見られる。再生回数は既に三百万回に迫る。海外からの書き込み・反響も多いそうだ。
もう一本、先夜 京都で見て惹かれた短編アニメーション。服部拓磨さんという方が作った風が吹くとき(1分40秒)これもYouTubeで『風が吹くとき』で検索すると見ることが出来る。
短編、アニメという条件付きだが、映画の原初的輝き・映像表現の可能性を感じさせるものが、モトを辿ると線描きのパラパラ漫画にまで遡ることに目が洗われる思いがした。数日前ガリ版映画」の手触りと書いたが、その達成がここにあると感じた。
実写部隊も頑張って欲しい。これまでの枠を、無視するのでも囚われるのでもなく、自在にさわやかに超えていく方途は、まだまだある、そう思わせるアニメ 二本だった。