2ペンスの希望

映画言論活動中です

監督の仕事

監督の仕事って何だろう。
色々あるが、経験に則した実感で言えば、「決めること」である。もうひとつ言うなら、「統べること」。スタッフの統括である。現場を仕切る。現場監督という言葉も、あながち間違ってはいない。監督がへなちょこでも、ベテランのスタッフがいれば現場は何とか回る。但し、「決めること」が場当たりでは、仕上がりは期待できない。「決めること」の整合性を積み上げてこそ、ゆるぎない達成が生まれる。身体でいえば「ウデ」。
では、カメラマンは?カメラマンは、「」だ。カメラマンの仕事は、絵にすること、「枠(フレーム)」命だ。助監督は、絵に「奥行きを作る」仕事、製作部は絵の外で、絵の「豊かさを支える」仕事だ。照明、録音、美術などの技術スタッフは、それぞれ、光、音、艶を与える仕事。身体で言えば、「手足」ということになろうか。
では、プロデューサーの仕事は何か?プロデューサーは、「ハート」だ。熱くて冷静な志を持つ仕事。自身の経験からそう思う。「アタマ」よりも「ムネ」、或いは「ハラ」だ。
えっ、プロデューサーって「お金」じゃないの、そうおっしゃる向きもあるかもしれないが、いえいえ。お金は、すべてのスタッフが心得ている。それがプロの仕事というものだ。