2ペンスの希望

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ふらっと

肩を怒らせて、青筋立てて、というのは苦手だ。勘弁願いたい。
生来軟弱なもんで、ふらふらふらっとフラットに行きたい。若い頃からそんなふうにやってきた。ふらふらでは、いかにも聞こえは悪いが、えーいままよ、アナタまかせの風まかせ。なるようにしかならぬ。ならぬことはならぬのです。こう書くとどこやらで始まった大河ドラマ第一回のタイトル=藩校の什の掟みたいだが、もちろん当局とは無関係。一切関わり無し。
当節、ふらと聞けばフラ=フラダンスのことを思い浮かべる人の方が多そうだ。おおそうだ、今思い出した。落語の世界にも「ふら」があった。と、これはズット昔友人の監督さんから聞いた話。「ふら」とは、その人が持って生まれた不思議な魅力・微妙な可笑しさのことを指す言葉。理屈では説明できない。「あの噺家にはふらがある」という遣い方をする。いい感じな空気感。その友人の個人事務所の屋号は「風楽創作事務所」。味のある表現を目指す姿勢が伝わってきてなかなかいいなと感じた。
というわけで、当方もふらふらふらっとフラットに行く。当分看板は変えない。