2ペンスの希望

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本野精吾自邸

或る催しを企んでいる。関連で京都衣笠の本野精吾自邸という洋館を拝見した。

1924年に建てられた洋館、イマドキの言葉で言えばレトロモダン。築90年なのにいささかの古くささも無く、堅牢にして柔らかい。素晴らしく素敵な建物だった。不勉強にして本野精吾さんという建築家のことは知らなかった。聞けば、日本のモダニズム建築の先駆者のお一人。御子孫の御厚意で隅々まで見せて戴いた。ブロックを積み上げた近代建築は木造ではないのに温かく人の肌に馴染んでくる。風が吹きぬけ、町家とおなじような爽やかさ・気持ちよさに包まれた。材料の違いはあってもホンモノの腕に掛かれば、いつまでも古びないで新しいことを改めて学んだ次第。映画も同じこと。機材や扱う材料が変わろうと、ホンモノは時代を越えて古びない。何時であっても新鮮だ。