2ペンスの希望

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エグナ

エロ・グロ・ナンセンス略してエグナ。褒め言葉として使われることは少ない。どちらかといえば顰蹙を買うほうだろう。しかし、この言葉、人間の底知れなさ、どうしようもなさを捉える重要なキイワードのひとつではなかろうか。そう思ってきた。
エロは切迫。後先考える余裕のなさから生まれる切羽詰ったギリギリ感、がまんできない臨界点、それがあればこそ共感も得られる。願わくばカラッと爽やか・艶笑的なのがいい。艶っぽさと可笑しさ。そのための条件は、当人たちと周りの落差・温度差。
グロは悪夢。見慣れたはずのものが見たこともない異形のものに見えてくる瞬間の魔、それが身上だ。不意に日常から異貌が立ち上がってくるゾクゾク感。
ナンセンスは背理。背反するのもが同居しひとつになること。価値の逆転・同値化。交換可能性、つまり「背反有理」のワクワク感。背理合一の力技=サスペンス。
こう考えてくると、いずれもハラハラドキドキ‥人間観察・ものづくりの要諦(ツボ)・誘い(いざない)に見えてくる。
あらゆる表現物にエロ・グロ・ナンセンスを! 一日一回エロ・グロ・ナンセンスを。
十分に有効な旗印・スローガンだと思うのだが?
但し、“目を背けたくなるような”のは御免だ。“目を見張るような”のを見たい。
目を丸くする”“目を皿のようにしてみたくなる”ものならもっと良い。これは前にも書いたとおり、快感が欲しい