2ペンスの希望

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分かり易い‥

分かり易い映画が多すぎる。
濃い味付け、添加物・保存料たっぷりのジャンクフード、噛まなくても呑み込める流動食、幼児向けウエハース、そんなのばっかりが目立つ。黒ブチメガネに白ブラウス、タイトスカートの女教師、サングラスに派手な色柄シャツを着込んだチンピラヤクザ、「ベタ・いかにも」の横行、一発一瞬で分かる誤解なき記号的映像の氾濫‥。
作り手が冒険しなくなったのか、受け手のストライクゾーンがせばまったのか、恐らくはその両方だろうが、ペラペラのスカスカ。劇だけじゃない。ドキュメンタリーも同じこと。
テーマはそれなりに真面目で意味もあるのだが、どこかで見たような表現、分かり易くて先が読めてしまう展開、手法も到達点も見え透いた映画が多い。どうなるのだろう、何処に連れて行かれるのだろう(=何処に連れて行ってくれるのだろう)。分からないまま有無を言わさずグイグイ引っ張っていってくれるような映画に出会いたい。
レッテル貼り、ラベリングしたらオシマイ、整理して箱に入れたら一件落着、そんな映画は願い下げだ。お金を払いたくない。貰ってもゴメンだ。