2ペンスの希望

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作家とデザイナー

若い人とのミーティングで、作家とデザイナーという話になった。
彼はこう言った。
「作家というのは自分の作りたいものを作る人、妥協しないし、出来ないし、またする必要もない。極論するなら、作ればOK。観客は不要。評価も毀誉褒貶も埒外。 対して、
デザイナーにはクライアントがいる(居る・要る)。クライアント(最大級は世間・世界)からの注文・要望に応じる能力が不可欠だ。ときに自分の作りたいものとはズレたもの・意にそぐわないものもある。それに応える能力が求められる。」
アーチストとアルチザンと言い換えてもよさそうだが‥‥この問題、古くて新しい。
どちらかが正しくてどちらかが間違っているということではない。
どちらかが偉くてどちらかが劣っているということでももちろんない。
タチの違い、戦略の差。

若い彼は言った。
「作家は一人でやっていればいい。僕はデザイナーたちと出会いたい、彼らをコーディネートしてコラボレーションすることを指向する。そういう環境・条件を作り出したい」 と。
ロートルはつけ加えた。
「作家は究極一人の力だ。デザイナーの場合、幾つかの力が合わさることで、その積は累加もされるし減衰もする。(1+1+1=5になったり、10になったり、−1にもなる)‥‥大切なのは、そのことを覚悟して面白がれるかどうか、その差だ」 と。
さて、上手く伝わったかどうか‥‥。