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165万人

松谷創一郎さんという未知のライター・リサーチャーさんが、日本の映画館人口について調査しているのをWebで読んだ。
彼の調査によれば、日本の映画館人口を支えているのは、165万人のヘビーユーザーということだ。彼らは月に1回以上 年に平均28回映画館に行く。
これまで、日本人一人平均で年に1.2回映画館に行くという数値が知られてきた。
これは、単純に年間の入場人員を総人口で割り算したものだ。松谷さんは他の資料も参照しながら、もう少し実態的なリサーチを行って、ヘビーユーザーとライトユーザーの断絶という結果を導き出している。正しいかどうかの判断は管理人の手に余る。が、面白く読んだ。165万人。総人口の100分の1、つまり、100人に1人。これが多いのか少ないのか、意見は分かれるところだろう。
さらに松谷調査によれば、1年間に1回も映画館に行かない層が8580万人居るとあった。3人に2人は映画館に足を運ばないのだ。映画は「隅っこの選択課目」化している。
もっとも、松谷調査は、映画館に限ったもので、映像ソフトのレンタル・セル、Web有料配信については含んでいない。ちなみに、映画関連の市場規模は、映画館興行収入2000億円弱、レンタル2000億円強、セル2000億円強、Web配信1000億円だ。
つまり、ずっと前から映画館よりそれ以外の市場の方が大きくなっている。調査に基づく松谷さんに提言については、全面支持とはいかないが、「仲間内でパスを回すだけでなく、必要なのは映画の外に開いた言葉」という指摘には賛成する。
松谷創一郎さん「映画観客はどこにいる?―各種調査から考える」Web頁はココ⇒
http://bylines.news.yahoo.co.jp/soichiromatsutani/20140811-00038154/