2ペンスの希望

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四苦八苦

日本の映画は四苦八苦している。
自転車操業による無理を重ねながら、何とか帳尻を合わせている。
邦画バブルなんて見掛け倒しの嘘八百。中身も質もないのに、見かけの数の多さを誇る、それをバブルというのならその通りだろうが‥。
四苦とは「生老病死」であり、この四苦に「求不得苦(ぐふとっく)」「怨憎会苦(おんぞうえく)」「愛別離苦(あいべつりく)」「五蘊盛苦(ごうんじょうく)」を加えて八苦。
単純に苦しいということではなく、あらゆるものは移り変わるものであり、世の中は「思い通りにならぬものと心得よ」という教えだという。変わらないと思い込み、そのままであって欲しいと願い、執着するのではなく、すべては変わるものだと知ること悟ることが大事というわけだ。映画が生まれて百十年。初々しく溌剌とした若さを失ったのは仕方ない。けど、一世紀を超えて成熟を迎えるのではなく、幼さ・未熟さばかりが目立つのは如何なものか。