撮影所時代の映画製作は、工場制手工業(マニュファクチャー)だった。様々な専門部門のスタッフによる「分業」と「協業」の「手作り」一品生産。
ポスト撮影所時代に入って、大手会社はより一層のマーケティング重視・テンプレ仕立ての「工場制機械工業」になってしまった。効率と生産性優先の安定安全運行路線。味も艶も均等均質‥プラスチック製品みたいなのが多くて、味気なく物足りない。
意欲的・意志的な中小零細部隊は、さしずめ「問屋制手工業」さらに遡行して「家内手工業」といったところだろうか。これは一見 歴史の逆行=退化のように見えるが、実は退化ではなく「進化」だ、そう思いたい。
映画は機械が作るんじゃない。断じて、人間の仕事・「手」が作るんだ。
かつてのスタジオ・撮影所時代のステージ保有とまでは望まないが、せめて工房・アトリエの恒常的維持存続を切望する。