溜まっていた一冊=中村計さんのノンフィクション『笑い神 M-1 その純情と狂気』【2022.11.28. 文藝春秋 刊】を一気読みした。2021年秋から2022年春にかけての「週刊文春」連載 全22回も愛読していた。
漫才師「笑い飯」を中心に、2001年から2010年まで開催された「第一期 M-1グランプリ」の軌跡を辿った一冊。加筆・修正が加わった単行本は厚みを増していた。
「映画」とともに「お笑い」好きの一人、リアルタイムで「M-1」を楽しんできた管理人としては見逃す手はない。(もちろん2003「奈良県立民族博物館」も、2009「鳥人」「チンポジ」も、2010 優勝の「サンタウロス」「小銭の神様」も全部観ている。エッヘン)
地上波TVでのお笑い番組の盛衰とその功罪、傾向と対策に腐心するゼロ年代の東西お笑い芸人たちの悪戦苦闘、その経緯・見取り図がよくわかる。
寄席・劇場での漫才が10~15分の中距離走なら、「M-1」は、4分の全力疾走の短距離走。
「M-1」は、漫才という長い伝統・蓄積を持つ芸能競技の単なる一種目だ。それ以上でもそれ以下でもない。とはいえ、いまやメディアでは最大人気、注目があつまる花形種目であることは間違いない。掛けるエネルギーも使う筋肉も桁外れだし、異様異形の発達を遂げてきた。とどまるところなき末梢肥大異常発達傾向‥はたしてそれは進化なのだろうか、退化なのだろうか。(これは、管理人の見立てに過ぎないが、2015年復活以降の「第二期 M-1グランプリ」は「第一期」とは別種の競技になってしまった。そう 思ってる。)
追記:単行本の記述から