2ペンスの希望

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本『犬笑楼vs.偽伯爵』

しばらくツンドク本だった『犬笑楼vs.偽伯爵』【2022.12.21.新潮社 刊】を読了。

オモテ表紙は、グルーチョ&チコ・マルクス兄弟の映画『我輩はカモである』(1933) のワンシーン。

ウラ表紙では、ネクタイ姿でオシャレに着飾った二人が足を組み、紫煙をくゆらしている。ネクタイ+足組み+紫煙‥〈昭和の三重連〉何という判り易さ!

出版社の注文=演出だったのだろう、元のカラー写真はどうやらコレ。

根性曲がりのタヌキとへそ曲がりのキツネの化かし合いを堪能した。無類の映画好き文学好きという共通点、二つ違いのほぼ同世代、ともにインテリ家族の出、「エエシのコ=エエとこのボン」なのだ。

と、ここで書評を二つ。

①読売新聞 東大教授 郷原佳以 (詩人郷原宏の娘さんだと知った)の書評

何が二人を結びつけるのか。大江健三郎の「散文の力」への敬服であり、「文学的な悪意」が希薄になった現状への危機感であり、時代のなかで映画や演劇に深く関わってきた経験である。自らが浸ってきた文化を「老人の役割」として語る‥‥」

②ウエブサイト 「note」からは「年間読書人」さんの書評。(プロフィールには「読書が趣味で、忌憚のない批評文が多い。本音主義でおべんちゃらが大嫌い。ただし論理的」とあった。) いささかならぬ長文で、メンドクサイ人士とお見受けするが ‥‥  悪くない。比較的時間と気持ちに余裕のある時にでもドウゾ。⇒

note.com