2ペンスの希望

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事情は同様?

事情はどの世界も同じようなものらしい。
昨日の続き。山田孝雄は同じ『私の語誌』第2巻の末尾で、国語辞典編纂の現状についてこう批判している。【265〜266頁 1996年9月三省堂刊】
この国の辞書事情は、こんな調子では何時までも、退歩と停滞とを繰返し、軈(やが)ては滅亡の墓場へと自らを葬り去るに違い無い。
根本的改善の為に必要な措置としては、
一、 辞書編集者の徹底的な若返り
二、  〃  〃   語学的訓練(=頭脳改造)
三、  〃  〃   用例採集
四、  〃  〃   批判的精神と能力の涵養

辞書⇒映画と置き換えて読んでみたい。とりわけ 二と三がキモか。
とはいうものの、山田さんがこう書いてからニ十年近く、辞書も映画も一部マニアが増えて一見活況を呈しているかにみえる。内情は痩せさらばえてお寒い限りでも。