2ペンスの希望

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泣く・笑う・握る

1977年生まれの時代劇研究家・春日太一さんの本『あかんやつら 東映京都撮影所血風録』【2013年11月文藝春秋刊】にマキノ光雄の言葉が載っていた。
東映大衆娯楽時代劇のドラマツルギー
脚本には泣く・笑う・(手に汗)握るの三要素を入れろ。それさえできてれば、後は頭とケツさえしっかりしておけばエエ
物語のベースは痛快・明朗・スピーディや!
牧野省三の「一筋ニ抜け三動作」はつとに有名だが、省三直伝のこの作劇作法は、余り知られてはいない。古くさく時代遅れ、と嗤(わら)うなかれ。
大衆娯楽映画 普遍(不変)の要諦として覚えておいて損はないはず。
痛切・陰鬱・鈍重‥スローテンポの方が何やら意味ありげ、価値もありそうで有り難い、なんて昨今のインテリ映画の貧血は、願い下げだ。