2ペンスの希望

映画言論活動中です

15分しか持たない

本質は変わらないのに、風景は一変した。 本当にそう思う。
冒頭の15分程度しか持たずに失速してしまう映画や、ラスト15分だけがやたらに濃厚、そんな映画を見せ続けられるとうんざりする。唯一の救いは長さが短いことなのだが、そんなのに限って2時間を越えていたりする。要するに全体を構成する力が落ちているのだ。もう何年も前のことだが、ラジオで漫才師の若井みどりさんが嘆いていた。「最近の芸人さんは、すじネタが出来なくなっている。テレビで育ったせいなのか、3分4分持たせるのが精一杯。小ネタ、ギャグの連打しかできない。お客さんの方もながものに耐えられない。がまんが出来なくなっている。
鶏が先か卵が先かは知らない。ただ、作り手が、甘えているか、なめているかのどちらかなのはハッキリしている。テレビならすぐにチャンネルをかえられてしまうような代物でも映画なら(代金先払い故)辛抱して見てもらえる、そんな甘え・弛緩があるのではないか。そう邪推したくもなる。そんな映画でもどこやらの雑誌の年間ベストテンのトップに選ばれたりするのだから始末に悪い。 もらとりあむは、責任回避の言い訳に過ぎない。