2ペンスの希望

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「死んでもいい」

「死んでもいい」というタイトルを聞いて、ロートルが一番に思い浮かべるのは、1962年米仏希合作の映画だ。
監督ジュールズ・ダッシン。出演は、メリナ・メルクーリ、アンソニー・パーキンス 、ラフ・ヴァローネ。 原題は Phaedra ギリシャ悲劇”フェードラ”に由来するネーミングだ。それを「死んでもいい」と邦題に変えたのは、配給会社の宣伝部あたりだろうか。

今思えば、いかにも大げさなネーミングだが、公開当時十代ニキビ面丸刈り中学生には蠱惑的だった。もちろん「蠱惑的」なんて言葉も知らなかった。大人の世界とか、富とか名声、恋愛への淡いあこがれを感じてぼんやりうっとりポスターを眺めていただけだった。いただけない いたいけな少年時代。