久し振りにYouTubeを覘いてみた。世界のOZUについては。膨大な画像がアップされているが、中で目に付いたのを一つ挙げてみる。
“Pillow Shot”とは、「映画のストーリー進行のただなかに取り入れた、大抵は静止状態の、一見したところ偶然にそこにあるような静物、シーン、風景のロングショットのこと」【Burch Noël 1979 To the Distant Observer：Form and Meaning in the Japanese Cinema Berkeley,CA:University of California Press】
「驚くほど多岐にわたる戦略をもちいて、複雑で多様な関係を生み出すことで、物語の流れを断ち切る」ものだとも書いている。Burchさんは、枕詞“Pillow Words”という言葉から“Pillow Shot”を思いついたようだ。“Enpty Shot”と呼ぶ研究者もいる。
今日はおまけをもう一つ。
OZUファンにはつとに知られた映画『浮草』(1959)冒頭のシーン。
OZUが泥臭さや汗臭さを嫌ったことは確かなようだが、それが遊び心なのかスタイリッシュなのか、どこまでが本気でどこが茶目っ気なのか、一筋縄では行かない。もっともどっちかに決める必要もない。そんな野暮は後代の研究者に任せて、映画を楽しんでもらえばそれで充分‥泉下の人の声が聞こえる。空耳か。
