2ペンスの希望

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芸のあるなし

京都の旧作VHS専門レンタル店「ふや町映画タウン」のことは何度も書いてきた。
店主のオーモリさんは、ずっと若い後輩なのだが、
会うたびに様々な刺激をもらう頼もしき映画人(映画本位制で生きている人)の一人だ。その映画的記憶・映画史的知識には毎回驚かされ感心する。
経営はずっと超低空飛行を続けているみたいだが、少し前に「閉店準備、完了。閉店、待ったなし」というお知らせが出た。
余計なお世話だとは思いながら、こんな話をした。
「オーモリさんほどの映画知識のストックがあるんだったら、どこかで映画史でも教えてみたら‥それともどこかに何かモノを書いてみるとか‥」と私。
「いや両方ともまったくやる気なし」と言下にオーモリ店主。
「ふや町で15年、前の店からなら30年、ボクはずっと映画をみせるヒトリアーカイブをやってきたつもり。映画は見る以外の享受法(教授法)がない。それ以外は全部ゴタク、与太話。 レンタル店はそのための手っ取り早く直接的で対等な場所。センセや物書きは柄じゃない。」ときっぱり。「ボクは、単なる映画好きのオタク。映画の「ポン引き」。センセや物書きをやる《芸》は無い。 ただ、 ビデオレンタルを続けるのに必要な《芸》はそれなりに磨いてきたつもり」とも。(コメントはアバウトに管理人が纏めたもの。よってオーモリさんの発言そのままではない。曲解している可能性ありなので要注意)
う〜む、確かに。
あたりを見渡せば、《芸》のない《芸》術映画、《芸》のない《芸》人がうじゃうじゃ。
パーソナリティ、キャラクター、レッテルだけの世渡り上手がいっぱいいる。