2ペンスの希望

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やっぱりハルキ君より 断然オサムちゃんで~す

やっぱり村上春樹より橋本治の方が好きだ。インターナショナルなコスモポリタンライターよりドメスティックエンターティナーに惹かれる。ハイブラウなインテリより世知に長けた文筆商売人を買う。ノーベル賞候補より小説現代新人賞佳作作家を選ぶ。というわけで、『人工島戦記 あるいは、ふしぎとぼくらはなにをしたらよいかのこども百科』を読んだ。

菊判 二段組 本篇1258頁 巻末に「人名地名その他ウソ八百辞典118頁」があり、附録に手描き地図がついて、重量1.5㎏。

「治検定版 日本社会科教科書(近代日本史+日本地理)」だった。

微分化された私を描くのがハルキ本だとするなら、人物を取り巻く歴史・社会の総体を丸ごと記述するのがオサム・スタイル。

民主主義というめんどうくさい仕組みの教則本。社会教育のテッテ的な指導書・手引書。微に入り細を穿った作りで飽きさせない。TVで人気の池上彰より百倍スマートでストレート。帯にはお友達諸氏の言葉が並ぶ。

管理人は「第ご部 テツオのふんどし篇」が一番のお気に入りだった。残念ながら「第ろく部 よーいドン!篇」の途中で終わるが、目次立てが最終章まで残されている。いつかだれか、強者(つわもの)=猛者(もさ)=剛の者(豪の者)が現れて、書き継がれることがあるかもしれない。

【附録(おまけ)

ネットでこんな画像を見つけた。若いなぁ。当時から画才より文才の人だった。