公立図書館の新刊到着図書コーナーに玄光社MOOK『映画制作ハンドブック』という本が置いてあった。「インデペンデント映画のつくりかた」というサブタイトルがついている。へーっ、イマドキの図書館には、こんな本も置かれているのか、借り出す若い衆もいるということなんだろうな、と興味半分で手に取ってみた。中身は正直なんと言うこともない薄っぺらなものだった。まあマニュアル本なんてそんなもんだとパラパラめくっていると、巻末にPFF(ぴあフィルムフェスティバル)ディレクターの荒木啓子さんのインタビューが載っていた。その一節。
「若い世代は、朝から晩まで映像を見ているのですが、逆にいうと「映画」はみてないですね。‥‥求める理想の画が低い。それは低いレベルのものを山のように見ているからでしょう。もっともっと上を目指して、見る側を驚かせないと。‥‥そこにこだわっていることが見て分かる人も増やさないといけないと思います。分かる人がそんなにいないんだからといって手を抜きはじめたら、どんな世界でも終わりだと思いませんか?‥‥今は社会全体に制作物に対しての「想定クオリティ」が低いと思います。」
そうだよなぁ。
PFFも35年、この十年で40代以上の応募者がじわじわ増え今は10%以上にのぼるという記事も目を引いた。