2ペンスの希望

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消えていく

時代の変化で姿を消していく職業は一杯ある。
先のスカブラやホットマンはもとより、炭鉱労働者も撮影所も過去形だ。
もはや文選工・植字工も居ない。写植オペレーターも見かけない。
映画の世界では、タイミング:フィルム現像所で画調や色のイメージを決定し整える専門家のことだが、これも我が国では絶滅危惧種のひとつになりつつある。
今、思い出したのが、小学校時代から大学まではずっとお世話になってきた謄写版(ガリ版)、これも日本では使われなくなってしまった。それでもアジアやアフリカでは今でも現役、小学校などで多数使われているということだ。活字やアルファベット、文字の形に囚われない点が優れているし、なにより電気が通っていない地域でも使えるのが有り難い。山奥で活動する山岳ゲリラがアジビラ作りに活用しているという話も聞いた。
箱の中身がブラックボックス化してサッパリ分からないPCや電子機器の類より、内部構造が目に見えてシンプルな道具の方が安心する。
歳のせいもあろうが、便利は不便、不便は便利、そんなふうにも思えてくる。