題材も主題(テーマ)もメッセージもいらない。
欲しいのは、文体だけ。最近とみにこの思いが募る。
文体を個性と言い換えても構わないが、今一番しっくり来ているのは｢持ち味｣という言葉。個性というよりもっと身体に染み付いた属性（性格とか行動特性）に近い。
サッカーにフォワードやディフェンダーやゴールキーパーがいるように。或いは、
ある出来事がおこったとき、それを困難ととらえる人と新たなチャンスととらえる人がいるようなもの。当人ではいかんともし難い性癖であり、その特有の味わいを
｢持ち味｣＝｢文体｣と呼ぶ。そう考えている。
たち、とか、すじ、という言葉も近い。
たち（＝質）が悪いとか、すじ（＝筋）が良いとか、‥。
「持ち味」といい「持ち場」といい‥‥日本語の豊かさを感じる。
