2ペンスの希望

映画言論活動中です

「安心第一主義」

本質はまったく変わっていないのに風景はすっかり変わってしまった。
うっかりしてる間に自分のアタマとカラダで考える習慣はめっきり衰えた。 中途半端に豊かになったお陰だ。豊かなのに貧相、自由なのに窮屈。目隠しなんて無い筈なのに何も見えていない。見えてこない。手詰まり・行き止まり・堂々巡り。因果なことだが抜け出すにはたっぷり時間が掛かりそうだ。
ん?何の話かって‥。毎度変わらぬ日本の映画の話です。
最近の日本の映画は、映画ごっこをしてるだけ。見え透いたことを見え透いたように描く=安心第一主義からは、満足なんて得られない。ましてや、安心→満足が裏切られズレながら見知らぬ地平・地点に誘われる《映画の快楽・快感》なんて望むべくもない
映画評論家・山根貞男さんが最新の「日本映画時評」でそんな趣旨の発言をしていた。(上述の文は、引用者が勝手に要約したもの。故に責任はすべて拙管理人にある。)
別の箇所では「「同じようなこと」を「手を替え品を替え」作り続ける力こそ大切」 という指摘もあった。 一流は「同じこと」の中に「違い」を描く。二流はその自信が無いから「違うこと」に逃げる、ということか。