「たのしい授業」という雑誌がある。
教育学者・板倉聖宣さんが提唱する「仮説実験授業」など科学教育を中心にした月刊誌だ。1983年創刊、最新2016年4月号で447号、小学校の教員を中心に読まれている。ちょっと前の号でこんなのを読んだ。最近の小学1年生の様子。1年生の担任先生と支援員さんのやりとり。「アバウトに弱いというか、自由に何でもいいとなると、逆に困るようです。でも、わからないといって、うつすのはいやみたい。きっちりとした正解を探していました」「何でも完璧を目指す頑張り屋さんが増えている。どっかで気を抜かなくて大丈夫かなあと思うこともあるぐらい」
ふた昔ほど前、ある映画会社の役員さんが嘆いていたことを思い出す。
「最近は指示待ち社員が多くて困る」。小学生から社会人まで、性急に正解を求め、間違うことを恐れて自分からは動かない。正解は一つじゃないのに。正解なんて一杯あるのに。 九九は暗記できても、加減が出来ない。いい加減が苦手なのは心配。