昨日の四方田犬彦さん『映画史への招待』の第Ⅲ部は「引用集1895-1998」映画に
まつわる言葉が年代順に百余り並んでいる。 頁稼ぎ=水増しのきらい無きにしも非ず
だが、まぁ固いことは言わず幾つか引用してみる。
いかにも‥というのも多いが、おやっと思うのもあった。
1941 こんなにすばらしい電気仕掛けのおもちゃを与えられた子供が、かつていた
だろうか。 ←オーソン・ウェルズ
1965 映画とは何かという定義のすべては、すでに消滅した。いまやわたしたちは
映画が何であるかを知らない。以前よく知っていたつもりだが、もはやそれすら
判らなくなってしまった。映画とは何かという最終的な定義もまた消え失せたの
である。すべての扉と窓は開け放たれた。 ←ジョネス・メカス(ママ:
リトアニア語なら ヨナス・メカス)
1972 わたしが仕事を始めたころの時代には、作り上げたものは長くもつようにと
期待されていたものだった。でなければ、真面目に受け取られることはなかった
だろう。今日でもわたしは仕事を続けているが(なかなか時世に適合できないま
まに)時代は逆になり、ものを作るときには、早く消費されることこそが期待される
ようになってしまった。 ←ピエル・パオロ・パゾリーニ
最後は、
1930 映画ですって? もうごめんですね。 もし映画の今日の姿が予見できたら、
わたしはこんなものを発明しなかったでしょう。 ←ルイ・リュミエール