2ペンスの希望

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生産者 主 消費者 従 ? 対等 ?

昨日書いたサブスク配信のプラットフォーム『アジアンドキュメンタリーズ』(月額990円でアジア各国のドキュメンタリー映画見放題)代表 伴野智さんのインタビューが気になった。【「未知なる世界を日本へ」月刊雑誌『シナリオ』2021年7月号 日本シナリオ作家協会 発行 より引用】

 

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彼は、「早回し視聴は駄目で、一時停止はいい」と発言していた。

早回し視聴は「あらすじを知るだけ」で監督の意図・演出という大事なところが見えていない。作品はただただ消費されるだけなので 駄目。

一時停止は いい。わからないことは一時停止して調べればいい。調べて わかって観るのとわからないまま観るのとでは印象も違うから。じっくりと1本の作品を楽しんでもらうには、1回だけ見るんじゃなくて、わからなかったところは調べて、2回、3回と見るのがいい。

う~ん、何だかなぁ。どこかすれ違っていて噛み合っていない気もする。

作り手だって、作っている最中は、早回ししたり一時停止したりを繰り返す。ためつすがめつ、ああでもないこうでもない、と編集点・構成のディテールを練りに練り、どうすれば分かりやすく、誤解なく齟齬なく受け手に伝わるかに腐心する。ともすれば逆に謎を仕掛けたりもする。その成果物を、お金と時間を払っている受け手がどう見ようと勝手だろう。制作ディレクターやプロデューサーをやってきた伴野さんならわかる筈。

「時間がもったいないので早回しで手っ取り早く中味を知りたい」消費者サイドと、「じっくり時間をかけて何度も味わって欲しい」生産者サイドのせめぎ合い。う~~ん。作り手の我が儘と受け手の我が儘のぶつかり合いは、未来永劫、永遠の課題だ。主従、上下、前後、を超えて、どこまでも対等な討議・解法のステージを期待する。(伝わりにくい生硬論議でゴメンナサイ)

【この項さらに続く】