2ペンスの希望

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三宅香帆さんを下敷きに(八) 思うところ

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なぜ作家は、小説なんて、こめんどくさいものを書くのだろう?「小説じゃないと伝わらない思想が作家のなかにあるから」じゃないか。小説になる手前には、作家の抱いている問題意識、悩み、あるいは考えたいテーマ、あるいはなんとなく浮かんでいるイメージ、風景、好きな会話‥‥そんなものが存在する。

書きたい物語を書いてるだけだよ、と作家はうそぶくかもしれない。しかし少なくとも読者は「思想があるという前提をふまえて」小説を読むと、だいぶ、ちがって見える。ただストーリーをおいかけて首をかしげて終わる」体験をかなり避けられたりする(引用者による一部組み替え 適宜割愛アリ )

思想」とは大げさすぎる。「思うところ」とか「考え方」くらいに置き換えて読んだ方がよさそう、そう思ってたら、こうあった。

ストーリーの起承転結をただ愉しむよりも、隠された作者の考え方を楽しんだほうが面白くなる小説は、意外と多い。

合点、合格点、太鼓判。