映画は作り易くなって、作り難くなった。
これが当管理人の基本認識である。理由は幾つも挙げられるが繰り返さない。(酔狂な御仁あらば、過去ブログを「作り易く」とでも「ワード検索」あれかし)
作られる映画の数は格段に増えた。映画館に掛かる映画もDVDソフト化、ネット配信も飛躍的に膨らんだ。なのに、一本一本の映画に余裕がなく遊びが少なくなって、野放図な面白さが消えてしまった。そう思えて仕方がない。作り手の数と裾野は飛躍的に拡がったけれど、映画専業のプロフェッショナルは減るばかりだ。コンスタントにマウンドに立てる職業映画監督は指折り数えるほどしかいない。多くの職業映画監督は登板の機会に恵まれない。貧すりゃ鈍する。何年かに一回、よくって年に一度の登板では肩に力が入って力みがちになる。失敗は出来ない。自ずと冒険は避ける。受けやすいストライクゾーンを狙う。
その昔、撮影所があって週替わりで新作が量産されていた時代には、アベレージで稼げればOKだった。何本かに一本当てれば、暴投も見逃し。我儘も冒険も失敗も許される緩さがあった。遊びがあった。
時代が変わり、作り易くなったことは確かだが、豊かになったとはとても言えない。むしろ、窮屈で貧相になったのではなかろうか。
広々したのに、狭苦しくなっちゃった、のでは情けない。とはいえ、昔は良かった、凄かった、年寄りの泣き言・繰り言はもっと情けない。聞き飽きた。これを突き破って、伸び伸び遊びのある映画を再度準備するのは、若い映画人以外ではなかろう。
もとより老管理人に目算があるわけではない。が、オールラウンダー、ユーティリティプレーヤーの協力(強力)タッグ、スタッフワーク、チームプレー、頭脳肉体総力戦、なんて言葉が浮かんでくる。‥‥ 知らんけど。