2ペンスの希望

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遅れてるゥ〜

半世紀以上の歴史を持つ映画雑誌(キネ旬じゃないよ)の最新号の目次を眺めていて驚いた。座談会のタイトルに「映画は商品か作品か、その狭間で現実を描きだす」とあった。誰が名付けたのか責任者がハッキリしないのでいい加減なことをいってはいけないが、それでも、一体いつの時代の記事なのかとあきれ返る。監督さんや脚本家つまり作り手の面々が集まって、今だに映画が「商品」なのか「作品」なのかなんて論議をしているのかと思うと、嘘だろう、悪い冗談としか思えない。暗澹としてくる。「商品」であって「作品」でもあるってことでどうしていけないの。それとも、その狭間で苦悩するオレたちの誠実さを分かってネ、とでもいたいの。
見せ手の方がハッキリしてる。九州の映画館主の言葉は、明快だ。「映画は、おカネを戴く商品であり、映画館はおカネをいただける商店、メリットは商品在庫なし、現金収入」。その通りだろう。しかも、「お代は見てのお帰り」ではない、先取り。不満足でも返金一切無し。
いや商品か作品かという問題は、映画が出来てから永遠のテーマなんだなんて、オジサンたちホントに「遅れてるゥ〜」
自分たちが置いてけぼりを食らっていることに、作り手たちはいい加減気づいて欲しい。気づいているけど為すすべなし、ということなら早々に退場すべし。そういえば、映画に出演した役者たちが、「今回の作品は‥」とか「◎◎監督の作品に参加できて幸せ‥」なんて「作品」「作品」と連呼している光景も見苦しい。
「作品」の方がエラクて、「商品」は下劣で下等だ なんて思っているのだとしたら、大間違い。「文化」が高級で「商売」は汚いなんてのも、同罪。顔を洗って出直して欲しいものだ。