カメラは何を写すのだろうか。
何を言ってるの、対象・被写体に決まっているじゃない、というあなた、申し訳ありませんがあなたは素人です。
カメラが映し出すのは、対象とカメラの間に漂う空気(空気感)以外ではない。
時間の流れがあるムービーキャメラ とりわけドキュメンタリーの場合、記録されるのは、取材者と対象との間の「関係性」そのもの。劇（ドラマ）も緊張（サスペンス）もそこから生まれる。私が対象(世界）をどう捉え、どう見ているのか、それをどう切り取り、構成するのか、醍醐味＝味はそこに生まれる。観客が見るのは「対象」かもしれないが、感じるのは「関係性」＝目には見えない「空気」であり、その質が、映画の品を決める。この事は、経験から断言できる。
