2ペンスの希望

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居眠り

春の居眠りが過ぎた。
ブログを始めて以来、こんなに休んだことはない。知人からは何かあったの?と有り難い問合せもいただいた。なぁに、何があったわけでもない。加齢による単なる息切れだ。ただ、たしなみもたくらみもない昨今のスッポンポンに付き合うことにいささか辟易したという思いは少しある。何をイマサラと言われてしまいそうだが‥。
1989年小沢昭一さんはこう書いた。「現代の大勢は、ねりにねり込んだもの、ズシリと重いものは、演る方も、見る聞く方もおっくうに感じるという時代のようです。きっとしばらくは、まだそういう時代が続くでしょうね。」(「節談説教」その魅力の数々) その通り、小沢さんの指摘は、四半世紀後の今も続いている。
重厚長大から軽薄短小へ。それは、表現や芸能の世界でも同じことだろう。
練り込まないで極力軽くする、思いつき・出来心を素早くリリースする。悪くはないのもたまにはあるが、良いとは到底言えない。最後まで、何がしたかったのかが分からない。そんな手合いが目立つ。もっとも当ブログだって、そのひとつ。日々の日記の垂れ流し、殆ど意味のない備忘録に過ぎない。何もかもが中途半端。覚悟も責任も中途半端。
それでも時計が巻き戻ることはなかろう。とするなら、軽薄短小の海の中で、ズシリと心に響くモノづくりに精進するしかない。