2ペンスの希望

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一長一短

水溶紙というものをご存知だろうか?

いつ頃開発されたのかは知らないが、水に溶けると跡形もなく消えてしまう特性を持つ。瞬時に溶けていくものからゆっくり時間をかけて溶けていくものまでバリエーションは様々あるようだ。天然素材の木材パルプ由来だから環境への悪影響も心配ない。

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「灯籠」や「流しびな」などに使われるほか、

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 利用分野は多岐にわたる。綿棒や検尿台紙など医療・介護分野や種蒔きシートなどの園芸・農業分野、建築・環境関連にも広がる。

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新しい技術は、新しい活用法を産む。1970年代後半あたりは、過激派・新左翼のメンバーが機密文書・重要事項を記すために使っていたという記録もある。

最近では、半グレ集団が振り込め詐欺など悪徳商法の被害者名簿=通称カモリストに使われている。証拠隠滅には手っ取り早いというわけだ。環境に配慮し地球にやさしいエコ・ペーパーは、悪を手助けする便利グッズとしても働いている。

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科学技術の進化は、いつだって諸刃の剣、光も産めば影も作る。功罪半ば、善し悪し、痛し痒し。後戻りはできない相談だ。

 

映画の機材も変わった。フィルムからメモリーチップへ、重厚長大大型キャメラから、軽薄短小高性能スマホカメラへ‥‥機材という言い方も古臭い。イマドキは、ギアとかツールとかアイテムというようだ。けど、言葉はどうでもいい。

新しい革袋に盛る新しい酒がどれだけ産まれたのか?

映画の過激派、映画の無頼漢がどれだけ知恵を絞っているのか? 

引き続き見守りたい。しっかり見届けたい。