2ペンスの希望

映画言論活動中です

「ぼくたちの数少ない武器」

高橋源一郎をインテリ源ちゃんと呼んだのは糸井重里だったと記憶する。
言い得て妙。達者ではしこく物知りだが、訳知り顔がたまに鼻に付く。それでも間歇的には読んできた。最近読んだ一節。
カーテンを開いて、窓も開け、空気を入れ換えよう。そして、深呼吸。 考えることは、大切だ。それは、ぼくたちの数少ない武器なのだから。
だが、考えすぎるのは、あまりよろしくない。ぼくの経験では、考えすぎると、手が動かなくなる。ぼく以外のたくさんの人たちも、同じことをいっている。

           【『ぼくらの文章教室』120頁朝日新聞出版2013年4月30日 刊】
このくだり、後半は大したことは言ってないが、前半は良い。
考えること・言葉を生むことは、「ぼくたちの数少ない武器(貧乏でも貧相でも誰でも手にすることの出来る恵与ツール。)以前 森崎東さんの本に『頭は一つずつ配給されている』というのがあったことを思い出した。
非力で手に技を持たないインテリ風情は、考えて考えて考え抜く以外に道はない。
考えるときの条件はただ一つ。自分のアタマを働かせることだけだ。借り物だって受け売りだって、自分の頭を通してのことなら、何だって構わない、そうだよね、インテリ源ちゃん!
その場しのぎの見掛け倒しでも何でも‥羊頭狗肉竜頭蛇尾、有名無実?君子豹変??小人革面????だったとしてもね、インテリ源ちゃん!!
さてさて、源ちゃんの解説はさておき、この本 アンソロジーとしてはお薦めだ。
木村センさん(誰のこと?という人はネットでググって頂戴)の遺書とスティーブ・ジョブズのスピーチについては初めて知った。抜群だった。