2ペンスの希望

映画言論活動中です

越境性

映画は言葉の壁を超える、と言われる。半分正しく半分は違う。 映画の越境性。
言葉の壁は越えられても、文化の壁は容易には越えられない。 歴史も文化も政治も宗教も習俗も生活もみな違う。バックグラウンドからフォアグラウンドまで同じではない。
言葉だって怪しいものだ。込めた意味やニュアンスがどこまで伝わっているのか確証はない。いい歳になってもいまだに外国文学には100%馴染めないでいる。それでも、
わかるわかると共感したり、そうだよなぁと納得したりする場面は少なからずある。
見えているものも、見ようとしているものも異なるのに‥どこかで人間としての共通項を感じる。コンテキストに倚りかからずとも理解は及ぶ。100%ではなくとも、或る程度でしかなくとも。さすれば、映画は万国共通、国境を越えると息巻かずともよかろう。たとえ50%でも、或いはもっと少なくとも、何がしかが伝われば御の字、有り難いと思うべし。