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あまりにも初歩的

あまりにも初歩的でビックリした。

映画.comというウエブサイトで、トークイベント「海外に映画を伝えるには」の記事を読んだ。

11月2日第34回東京国際映画祭国際交流基金アジアセンターが共同で開いた催しの配信だ。

PFFの荒木啓子ディレクターがリードして、春本雄二郎監督や、東映の国際営業担当や上海国際映画祭プログラマーなどが出席している。

記事によれば、

春本監督は、自らの第二作を「自主映画ではなく、作家自身が資金調達を行い、忖度に左右されない製作体制を整えた“独立映画”だ。」とした上で、「僕自身の映画作りに関しては、まだまだ視野が狭いなと感じたんです。海外の映画人は、世界における“自国”というものを見つめていました。自国において、自分がどうしてこのような映画を作るのかというところまで突き詰めている。哲学を持って映画を作っていました。『なぜ、この映画を作ったのか?』という問いかけに対して、きちんとしたステートメントを表明できなければいけない。『今の日本のフィルムメーカーには、その熟成が足りてないのかもしれない』

“(映画を)作る”というのは、観客の鑑賞料金を前借するような形で行っているんです。つまりお客さんを呼んでくるという担保がない限りは、夢物語でしかない。そこまで自身の絵図が描けているか。ここまで考えられているかが、今後のフィルムメーカーにとっては必要。セルフプロデュース。これほど手軽に(映画が)撮れるようになったので『セルフプロデュースをするしかない時代』が訪れている」と語っている。

名だたる監督が「海外映画祭」についてコメントを寄せている。

諏訪敦彦は「日本人が好きな謙遜、沈黙にはなんの美徳もありません。うまく言葉で言えないということも通用しません。片言の英語でかまわない。話したい人と話し、会いたい人と会う。シンプルな行動がベスト。

是枝裕和は「ランチをしながら皆で論争になって、黙って聞いていたら『あなたはどう思う?』と聞かれた。『うーん、嫌いじゃない』と普段よくやる答え方をしたら、通訳の方に『何それ? どう訳したらいいの? ちゃんとイエスなのか、ノーなのか、ラブなのか、ヘイトなのか。自分の意見を持って言葉にしないと駄目。馬鹿だと思われる』と言われて、出来るだけそうするようにいます。“出来るだけ”でいいんです。無理はしないで。ただ、その作品の監督である以上、自分自身が作品の宣伝マン、営業マンだと、立場を変えて人と接するようにした方がいい気がします。

‥‥他にも黒沢清塚本晋也なども語っているが 割愛。

春本監督がまとめる。「『表現をする』というのは、脚本を書いて、人とお金を集めて、撮るだけの話ではない。『どういう哲学を持っているのか』『どのような表現をしたいのか』『どこに向かっていきたいのか』ということが見えてくれば、

う~ん、嘘は無いのだろうが、呆れるほど素朴で幼い。これほどまで仕事としての自覚や戦略が無しでは世界には通用しない。戦えない。戦う前に負けている。もっともレポートしたネット記者さんのフィルター経由なので軽はずみは云えないけれど。

あまりに初歩的 幼稚でビックリ。

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