渡邉大輔(1982年生)さんの本『明るい映画、暗い映画 21世紀のスクリーン革命』【2021.10.10. blueprint 刊】についてさらに続ける。
渡邉さんの基本認識は、〈SNSや動画サイトが映像文化の「ソーシャル化」をもたらしている〉というものだ。〔「ソーシャル化」というのはIT関連の用語で、どうやら「個々別々単独にやってきた個人の営為(行為)が、ソーシャルネットワーキングサービスによる双方向コミュニケーションの実現によって、個人のやり取りが即座即時に社会的意味と価値を持ってしまうこと」を指しているようだが‥‥ ⇐ 正しい理解かどうかは自信なし〕
以下、
〈文化の「サプリメント化」〉
〈映画批評の「食べログ化」〉
〈あらゆる作品や表現は、ファーストインプレッションの「泣けるか」「面白いか」「つまらないか」で脊髄反射的に受容される〉
〈「映画を早送りで見る人たちの出現」〉などのフレーズが並ぶ。
これは、もとはライター 稲田豊史さん(1974年生)の文。その全文は
「映画を早送りで観る人たち」の出現が示す、恐ろしい未来(稲田 豊史) | 現代ビジネス | 講談社(1/6)で読める。
覗いてみたら、「作品ではなくコンテンツになった。鑑賞ではなく消費。回り道を嫌い、最短距離で❝オタク❞になりたい彼ら」とあった。「YouTube上には、5分の動画で映画1本を結末まで解説してくれるチャンネルまである。」とも。
最後はこうだ。「映像作品も随分となめられたものである。なめられて当然の作品があることも、否定はできないが。」