伊藤本『仕事と人生に効く教養としての映画』はこんなフレーズから始まる。
映画を見ることは難しい。これが本書のスタート地点です。
以下、古典的名作映画から最近のヒット作・ディズニーアニメなど硬軟取り混ぜてまな板に載せ、微に入り細をうがってバックグラウンド(歴史的背景)、制作エピソード、表現技法、豆知識、小ネタ、うんちく話までを繰り広げながら、最後には「映画を見ることは難しい、だからこそ面白い」というゴールを目指していく。言わんとすることはよく分かる(つもり)。だが、残念ながら、とっちらかって雑然 未整理 散漫、で、正直 いただけなかった。
「 とも書く。いったいどっちなんだい、と半畳を入れたくなる。
管理人は「映画を見るなんて簡単なこと」派だ。
予備知識ゼロ、何の準備も不要。少々の時間とお金さえ用意すればOK。「子供から大人まで、誰が見ても直観的に理解できるのが映画の強みだ」と思っている。外つ国の政治状況や歴史背景、社会事情なんか知らなくったって大丈夫。見れば分かる。そう思ってる。もちろん深浅の差はあるだろうが、それを超えて、画面からは人物たちの心情が伝わり、感情が揺さぶられる。そう思っている。少なくとも、良く出来た映画は間違いなくそうだ。だからこそ、極東辺鄙な一映画人が作った古い映画が死後も長く広く世界中の人々に受け入れられ評価され続けるようなことが起こるのだ。
したがって、管理人なら、こう書く。
映画を見ることはやさしい、やさしくって難しい。
だから面白い。