2ペンスの希望

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名前の由来

ここらで、ブログのタイトル『2ペンスの希望』の由来を説明しておきたい。

『2ペンスの希望』は1951年制作のイタリア映画。1952年カンヌでグランプリを取る。日本封切は1962年8月。残念ながらVHSもDVDも発売していない(ようである)。恐らくは35mmフィルムも無い。数年前までは中部地方の16mmフィルム配給貸出映画会社が持っていたようだが‥いまはどうなっているのかなァ?
そもそもは、15歳高1の夏、大阪ミナミの戎橋劇場という映画館で二本立を観たのが事の始まり。併映は、I・ベルイマンの『野いちご』。お目当てはこちらだった。(ともに、当時東宝の肝いりで始まったばかりの「日本アートシアターギルド」の上映ラインナップ。『野いちご』の輸入配給は東和、『2ペンスの希望』は新外映だった)
都会の映画好き高校生にはお金が無い。封切りでは観られない。かくて二番館三番館に落ちてきて値段が安くなってから二本立・三本立・果ては四本立をはしごすることになる。お目当ての『野いちご』は退屈だった。そりゃぁそうだろう。15歳のニキビ面(づら)には、名誉学位の授与式に向かう76歳老学者の一日なんてわかる筈も無い。共感するには幼すぎた。併映『2ペンスの希望』の方はタイトルすら知らなかった。ノーマーク。これにイカレタ。不意打ちだった。
舞台は、ナポリ近郊の村、ロミオとジュリエットを下敷きにした青春喜劇・ラブロマンス。この一本が、極東の高校生の心臓を鷲づかみにした。以来追っかけは今に至る。配給会社を訪ね、ポスターやスチール写真を貰い、次の上映館を教えてもらって放課後日参する日々‥嗚呼!きりが無いのでこれ以上は書かない。
双葉十三郎さんの『ぼくの採点表Ⅱ 1960年代』では☆☆☆★★★ 
末尾に太字でこうある。  いい題名だなァ