2ペンスの希望

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一.五軍

テレビはほとんど見ない。ラジオばかり聞いている。
朝の番組で藤井純一さんへのインタビューを聞いた。藤井さんはセレッソ大阪北海道日本ハムファイターズの元社長。赤字経営を数年で黒字転換させたことで知られる。「滞留した一.五軍選手の大掃除に努めた」という話が面白かった。
ご存知のように日本のプロ野球には一軍と二軍がある。二軍ではそこそこやれるが、一軍で常時レギュラーを張るにはチト実力不足。かくして一軍と二軍を行ったり来たり。そんな一.五軍選手がかなりいるのだそうだ。彼らがいる限り、新人は二軍の試合に出るのにも苦労する。中途半端な一.五軍が邪魔をして新人のチャンスを潰している。そこで出来る限り一.五軍に辞めてもらった、という話だった。
映画の世界にも一.五軍がいる。劇映画の世界でまともに映画だけで飯を食っていくのは大変だ。まともな映画をコンスタントに撮っている監督なんて十人いるかいないかだろう。CMやテレビ、PR映画などで稼ぐのはまだいい。ただ、映画だけで食えない映画監督が、大学や専門学校の先生になって食いつなぐのは如何なものか。数年前からそんなケースが増えている。いたいけな若者相手にプロフェッショナルづらして与太話をする。本業を忘れておだをあげる。そんな一.五軍を一掃したくなってきた。人の飯の食い方をトヤカク言いたくはないが、本業をサボっていること、新人の邪魔をしていること、二重の意味で罪深いことだと思う。