2ペンスの希望

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兼業時代

相変わらず兼業映画監督(週末映画監督!終末映画監督?)が増えている。
映画だけでは喰えなくて、介護の仕事をしながらドキュメンタリーを撮っている人もいれば、運送の仕事の傍ら劇映画を作っている人もいる。これまではあまり芳しいことではないと思ってきた。業界の貧しさの反映であり、当人たちのためにも良くない。その基本認識に変わりはない。けれど最近、少しだけ考えが変わってきた。
今の時代、一意専心・ひとつのことだけに精進するのではなく、二束の草鞋を履くほうがある意味「健康的」なのかもしれないなぁと思いはじめた。専業ではなく兼業という生き方(行き方)。
街では、カフェ兼本屋、喫茶店兼雑貨屋、バー兼家具屋などが人気だと聞く。理髪店兼家庭料理なんてのもあるそうだ。あれかこれかではなく、あれもこれも。
もっともひとつではやっていけなくなっての多角化、やれることはなんでもやろう、売れそうな物なら何でも売ってやろうという「たくましき商魂」ゆえのこととも言える。背に腹は変えられぬ、後が無い、背水の陣とも‥。
しかし、この二足の草鞋。両方アマでは困り者だが、両方プロなら、それもまたありかもしれない
たしかに、どっちつかず、中途半端に終わる危険も少なくない。それではいただけない。相乗効果で、それぞれの専門性の硬直・固定観念(先入観・決め込み・思い込み)がほぐされるのなら、それはそれで捨てたものでもなさそうだ。
言葉はいささか穏当を欠くが、半分半分、面白半分、いい加減。
ゴリゴリの硬直派からは青筋立てて怒られそうだが、「面白半分」「いい加減」をこそ積極的に擁護してみたい、今日はそんな気分だ。
力漲る剛直球もいいけれど、なかなかどうして、へなちょこにみえて意外に骨太、簡単には打ち崩せない軟投投手の爽やかさ・しなやかさも見てみたい。