2ペンスの希望

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マイナス・アーカイヴ

昨日の菊地成孔さんの挑発に乗ってみる。
確かに、百年以上の歴史を重ねてくると、映画にも古典・名作アーカイブが形成される。誰もが観ていて当たり前、基礎教養としての必修アイテム。しかし、そんなこと誰が決めた。そんなの関係ない、と言う若者もまた登場してくる。当然だ。ガラスケースに収まり、白手袋で恭しく扱われる古典・名作なんて知ったこっちゃなかろう。20世紀に始まった複製芸術=写真・映画。「民主化の申し子」と誰かが呼んだ。縦の序列化ではなく、横の平準化、それが映画の血だと思う。映画にヒエラルキーは似合わない。何を観ようと、何を観なくとも、人それぞれ、カラスの勝手だ。
ということで、今日は、管理人のマイナス・アーカーヴの幾つかを‥。
S.キューブリックの『2001年宇宙の旅』、G.ルーカスの『スター・ウオーズ』全シリーズ、R.ゼメキス『バック・トゥ・ザ・フューチャー』シリーズ、そういえば『影武者』以降の黒澤明北野武監督の映画もまともには観ていない。別に忌避してきたつもりはない。キューブリックの映画などはそれ以外の殆どを観ている。黒澤だってそうだ。相性が合わないのか、何となく観る機会が失したまま今に至っている、というのが偽らぬ心情なのだが‥。しかししかし、もしかすると、(菊地さんの言うように)精神分析学的に何かしら秘めたる情動があるのかもしれない。